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2007/7/28開始 好きなものを好きなだけ
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Hidaさん宅の、HidachiちゃんとHidanくんをお借りして
我が家のシリオンを加えてSSにしてみました。

Hidaさんキャラお借りさせていただきありがとうございます~♪


長い上にギャグ要素多めなので、
一応たたんでおきます。

 現在、マリンダリンでは降魂祭”ハロウィン”が行われている。
 街中はそこかしこが人の声に満ち溢れ、こうしたイベント期間中ならではの賑わいというものを見せている。
 マリンダリンを訪れる数多くの冒険者の中で、Hida一族なるものが存在する。名前がHida~から始まるその一族は皆一様に似た容姿をしているだとか。
そんなHida一族のうちの一人、Hidachiもまたイベント期間中ということもあって浮かれた気分でマリンダリンを歩いていた。
彼女はひ弱で好奇心旺盛な性格の為、こうしたイベント期間中でもあまり人の多いところには出たがらない。
が、先日手に入れたカボチャソードやハロウドレスといった特別な装備をして、気分が浮かれているようである。
 普段とは違うルートで宿屋に帰ろうとする彼女は、いつのまにか自分が道を外れていることに気がつかなかった。
「ふふ~ん♪あたしもハロウィン装備できて嬉しいな~!」
 いつもは大人しい彼女だが、やはり街の雰囲気や祭りの楽しさに乗っているようである。愛らしいカボチャの装飾が施された剣を目の前でぶんぶんと振ってみる。
 と、ふとそこで彼女は自分が宿屋ではない方向に向かっていることに気がついた。先ほどまで周囲にあったハロウィンのカボチャ提灯が見当たらず、辺りはぼんやりと暗い闇に包まれている。
ハロウドレスの布面積の少なさが原因ではない震えがHidachiを襲う。元々人の多いところには出たがらない性格だが、故意に一人なのとそうでないのでは感じ方が違いすぎる。
「あわわ、ここ、どこ!?」
 慌てて振り返るがあたりはしんと静まり返っていて返事がない。Hidachiはあわあわと慌て始めた。元々戦闘経験が乏しい彼女では度胸が足りず、臨機応変に対応出来ないことも多い。ましてや突然一人になってしまって、冷静にもとの道がどこだと探すほどの余裕もない。
 ガサッ!!
「ひぃっ!?」
 そんなHidachiに追い討ちをかけるように草むらが揺れる。思わず身構えるが、彼女が手にしているのは愛らしいカボチャソード。攻撃力があるかどうか怪しいものである……。
が、構えずにはいられないのがHidachiクオリティ。出てきてほしくない!そんな彼女の願いとは裏腹に、ガサガサという揺れは徐々に近づいてくる。
「う、ううううっ!!」
 せめてアルカナカードをセットしてくればよかった!
そうは言ってもあとの祭りである。草むらの揺れが一際大きくなった。Hidachiは思わず目を瞑り、見開いた。……傍から見ると細すぎてどっちがどっちなのか判別がつかないが……。
 音の方向、大きな黒い影を目で追っていくと、それは月をバックに、月明かりの下を飛んでいるようにも見えた。
「あ、わっ、……!!」
 黒いマントをなびかせ、紅いリボンが宙を舞う。Hidachiは思わず我が目を疑った。その影がゆっくりと地に下りるまで、実にスローモーションのように彼女の瞳には映っていた。
 銀髪と鋭く光る蒼い目、思わず眼前に降り立ったそれに彼女はカボチャソードを取り落とした。
「ひっ、ひっ、ひぃいい!!!吸血鬼が出たああ~~!!!」
「はぁ?」
 吸血鬼?の訝しげな声も聞かずに、Hidachiはゆっくりと意識を手放したのであった。

 うつらうつら、こっくりこっくり。まどろむ意識の中で、カボチャが一つ、カボチャが二つ、アフロが一つ。
 アフロ?
「う、うぅん……ん?」
 目の前にもっさり緑のアフロ。それこそがHida一族の男性である証拠。Hidachiはそのアフロが誰の物であるかをすぐに判別し、怖かったよおおお!!と泣き出した。
「お兄ちゃん!大変だよマリンダリンに吸血鬼が出たんだよ!!」
「な、何を言ってるんだ!吸血鬼なんているわけないだろ!」
 そう言うのはHida一族の一人、Hidanである。
Hida一族では彼の従妹であるHidachiが気絶し宿屋に運ばれてきたというので、スターステッキ、カボランタン、紅葉葉っぱ♂というある意味でハロウィンを満喫している恰好で慌ててやって来たのだ。
トレードマークのアフロは急ぎすぎたせいかちょっとだけ形が崩れているが、Hidachiの無事を確認できた彼にとってアフロの犠牲は仕方のないものだった。後で直すからいいだろう、とちょっとだけ思ってないこともない。
 が、一方のHidachiは錯乱状態である。カボチャソードも見当たらないし、宿屋に戻ってきても吸血鬼が追ってくるかもしれないという恐怖にかられている。
「あ、あたしこの目で見たんだよ!銀髪で蒼い目の吸血鬼が……!」
「何を言ってるんだHidachi!それに銀髪で蒼い目というのは、そこにいるシリオンさんじゃないか?」
「へ?」
 ぎぎぎぎ、と音がしそうなほどゆっくりとかつぎこちなく首を回すHidachi。そしてヒィ!!と声を上げてHidanにしがみつこうとしたが、葉っぱしかないので腕を掴むに終わった。
 そこには彼女があの時見た通りの吸血鬼が、訝しげな顔で立っていたのである。だが宿屋の中というこもあり、明るさのおかげでその姿がはっきりと見える。蒼いマントだ。
驚き震えるHidachiを前に、紅葉葉っぱ♂を装備したHidanが言う。
「Hidachi、アレはドラキュウェアBというハロウィン装備だぞ?」
「……え?」
「それに、彼が付けてるアームリボンR、見覚えないか?」
「え?え?」
 その吸血鬼?が左腕にしているのはイベント装備表で見たことがある。確かホワイトデーのものだったかな?と回想。
 ん?ん?ということは、彼はマリンダリンにやって来た冒険者?でなければ装備しているわけがない。
「……え、あ、あの……吸血鬼さん……じゃないですか?」
「違う。」
 きっぱりと吸血鬼……ではなく、シリオンが言った。
 そこでようやくHidachiも自分の勘違いに気づき、あわあわとその場で身振り手振りな行動を始めた。
「あ、あのすみません!暗がりでよく見えなくて!あ、あうあうええとその、えええ!!!」
「いいや。俺も突然飛び出して驚かせてしまって悪かった。怪我はないか?」
「え、あ、大丈夫ですよ!!もう全然ッ!」
 ぶんぶんと腕を振るうHidachi。ぶつかるような感覚、瞬間隣でぐふぅ!という鈍った声が聞こえた気がしたが、それはこの際聞かなかったことにしよう。
「そうか。なら良いんだが……。」
 ふぅ、と溜息を吐くシリオン。Hidachiも吸血鬼がいないという結論が見えて一息を吐く。が、そう言えば意識を失ったあの場からどうやってこの宿屋に戻ってきたのか記憶がない。もしかして、とHidachiは恐る恐るシリオンに尋ねてみた。
「嗚呼。気絶したまま置いてくわけにはいかないからな。背負ってここまで連れてこさせてもらった。」
「!?!あ、あえええ、あ、ありがとうございます……」
 途端、しょぼーんとするHidachi。シリオンは具合でも悪くなったのかと思ったが、実際はそうではない。
 Hida一族はその容姿に共通するものがあり、またHidachiは人の多いところには出てこないという性格の為、必然的によく見る男性といえば周囲のHida一族の者になる。そう、緑のアフロがトレードマークの。
 そんなHidachiが偶然とは言え出会ってしまったアフロではない男性。思わずしどろもどろになるのも年頃の女の子の心情ならば理解できる。ましてやハロウドレスなんて装備で、と考えると顔が沸騰してしまいそうだ。
「大丈夫か?」
「へ!?あ、大丈夫ですよ!」
「いや、そっちのアフロの人。」
「え?……あ、お兄ちゃん……。」
 はっと横を見るとHidanが泡を吹いて倒れている。どうやら先ほど腕を振り回した際にみぞおちあたりに一撃を決めてしまったらしい。攻撃力皆無のHidachiだが、戦闘と偶然の一撃ではそのクリティカル率も変わってくる。
あわあわとするHidachi。臨機応変力のなさはここでも発揮されているようだ。
 そんなHida一族の奇妙なやり取り?を前にシリオンも首を傾げている。吸血鬼に勘違いされたことは仕方がないとして、あのアフロに気圧されてしまった事実はささやかながらシリオンのプライドに引っかかっている。
アフロ、アフロ、もっさりアフロ、緑のアフロが紅葉葉っぱ。だがぴくりとも動かないHidanにさすがのシリオンも心配したらしい。Hidanの状態を確認すべく彼に近寄るが、それは同時にHidachiとの距離も詰めることになる。
 Hidachiはシリオンの存在を物珍しそうに見ていたが、突如彼が歩み寄ってきたので、逃げるどころか硬直して動けなくなっていた。
「(ち、近寄ってくる!駄目!こっちきちゃだめ!)」
 が、硬直して動けないHidachiにとってそれは心の言葉だ。つかつかと歩み寄ってくるシリオン。Hidachiは顔が熱くなるのを感じた。
吸血鬼と見間違えて驚き慌てふためいた事実は最早彼女の脳内からは削除されつつある。よくよく見ればドラキュウェアBの装備は彼にとてもよく似合っていて、紅いリボンがそれを引き立てている。銀髪に、蒼い釣り目のシリオン。
じっとHidachiはシリオンの顔を見ているが、シリオンは気づかず、アフロに意識を集中させている。彼の脳内はHidachiよりも、川アザラシとこのアフロはどっちが柔らかいのだろう?という実にどうでもいい疑問によって支配されていた。
 シリオンとHidachiの距離は極端に短くなった。
「(ち、近いよ!すごく……近いけど……)」
 目が離せない。
「(……アフロだ……)」
 目が離せない。(アフロ的な意味で)
 シリオンの手がHidanのアフロに伸びる。果たしてそれと川アザラシ、どちらがよりモフモフなのかという疑問。それを果たすべくシリオンはアフロに神経を集中させている。
そんなシリオンの姿に、あろうことかHidachiは全く別の印象を抱いてしまっていた。
鋭い眼光でHidanを射抜くシリオンを、強いものを見極めている、そんな印象で見ているのである。これは俗に言う”おとめふぃるたあ”という名で呼ばれている。
「(シリオンさんってお兄ちゃんが言ってたっけ……恰好いい人だなあ……)」
 Hidachi、一目惚れする要因が勘違いまみれなHida一族の子である。
 シリオンはゆっくりとアフロに触れようとする、が、その瞬間Hidanの目が見開かれ(といっても傍目には分からない)起き上がりシリオンの手を取った。
「!!!!」
 思わず驚き硬直するシリオンの手を取り、ぶんぶんと振り回すHidan。振り回し方がHidachiと一緒ではあるが、そこはさすがお兄ちゃんと呼ばれるだけあってHidachiには当たらない程度に振り回している。
振り回されているシリオンはたまったものではないが、彼の表情(もとい口と目元)が緩やかにかつ和やかな雰囲気を出しているので振り払うわけにもいかない。成すがままに揺さぶられる。
「……!!っ……!!?」
「いやぁ~シリオンさんのおかげで助かりました!Hidachiが倒れたと聞いたときはびっくりして駆けつけたのですが、本当に怪我もなくてよかったです!どうもありがとう!」
「べっ……別に、っ、大した、ことじゃっ……」
「いえいえ本当に感謝ですよ。元はHidachiが勘違いしたことなんですから、ご迷惑をかけて申し訳ないです!!」
「べ、べっ………!!!」
 別に気にしなくていいから手を放してくれ、そう言いたいがどんどん早くなる振りに思わずシリオンも対応しきれなくなってくる。つかまれるがまま上下に手が揺れ、それが大きくなればなるほどシリオン自身も上下する。
 と、そこでようやくHidachiがおとめふぃるたぁを解除。慌ててHidanの振りを止める。
「お兄ちゃん!あんまり手を振り回しちゃだめだよ!」
「なはは!それもそうだった。シリオンさん、改めて今回はご迷惑をおかして本当に申し訳なかったです。」
「い、……いえ……気にして、ないっ……です……はーっ……はーっ……。」
 魔法型のシリオンにとって、振り回されるだけでも随分と体力をすり減らされる。彼の脳内では、川アザラシ>(越えられない壁、むしろ越えさせない壁)>アフロの図式が完成していた。
もしもここにHidachiがいなければCh式ファイアで焼き尽くしていたところだが、それはペコにも悪いのでやめておこう。
 自分の存在がHidanを窮地から救ったことなど知らず、Hidachi、おとめふぃるたぁを通して見るシリオンはどうしてああも恰好いいのかということばかりを考えていた。
呼吸苦しげに苦悶の表情を浮かべる彼、Hidachiはその細いと一般で称される目でもって追う。
先ほどのクールな印象も良かったが、こちらのちょっと危なげな感じも悪くはない。
「(……って、何考えてるんだろうあたし!?危ない危ないっ!)」
 慌ててHidanのアフロを見てクールダウン。先ほどから強くなっていた心臓の鼓動音がゆっくりと平常に戻っていく。これぞHida一族の男性アフロが持つ特殊能力なのである。
「と、とにかくっ、シリオンさん本当にごめんなさい!あたしったら勘違いして……」
「い、いや、構わないっ……。今度から、気をつけて、くれ……。」
 今だ呼吸の安定しないシリオンだが、これ以上あの振り回しに関わるのはごめんだといわんばかりに冷静を装う。Hidachiはなんと謙虚な人なんだろうと、またも勘違い。
「それじゃあHidachi、帰るぞ。皆心配してるから。」
「あ、うん分かったお兄ちゃん!」
「帰りも気をつけてくださいね。(その紅葉葉っぱだけでよくギルドに捕まらなかったな……)」
「シリオンさん、今日は本当にありがとうございました。」
「あ、あの、あたしも、ごめんなさい……」
「いや本当に気にしないでくれ。驚かせてしまった俺が悪いんだ。(早く帰ってくれよ……)」
「それじゃ行くぞHidachi。」
 かくして、紅葉葉っぱ♂を華麗に(?)翻してHidanはHidachiを連れて宿屋を後にする。ようやくほっと胸を撫で下ろしたシリオンだが、さぁ出よう、というところでHidachiが走ってシリオンの元へとやって来た。
悪い意味でどきりとするシリオンだったが、Hidachiの目は悪いことを企んでいるようには見えなかった。(細すぎて)
「あ、あのシリオンさんっ……」
 何かを告げようとするHidachi。
その瞬間、シリオンの中の無意識の防衛反応スイッチが働いた。(別名”女難回避スイッチ”というが、効力は定かではない。)
たまたまドロップしてだぶっていた焼き芋を押し付けるようにHidachiに渡すと、ドラキュウェアBを翻しHidanの元へ。彼にはキャンディとハロウスーツを押し付け、一言。
「俺はしばらく戻らない。好きに使ってくれ。」
 お礼を言うHidanの声も無視し、走り去るシリオン。本人は至って真面目に逃げているのだが、彼の装備するドラキュウェアBやアームリボンRが風にはためき、なんともいえない雰囲気をかもし出していた。
「……素敵……。」
 Hidachiはその後姿を見つめながら呟いた。
 彼女が言おうとした、また会えますか?の言葉は届かなかったが、彼から貰った焼き芋はほんのり温かくHidachiの体を温めてくれたのであった。

<了>
 

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